歩いていると たまに
脈絡なく過去が頭の中をよぎる
嬉しいや悲しいを伴う感情の記憶ではなく
ただの出来事
あの頃の感情が思い出されるのではなく
そのままあの時の感覚が身体に落ちてくる
味わっている
それは思い出すのではなく
そのままその時にいることで
あの時が今この瞬間にある
今があの時
だとしたら
確かに今にあるためには
今を確かに味わうためには
感情じゃなく感覚を味わえばよい
今
あたたかい/つめたい
かるい/重たい
まるい/とがってる
気づかなくても身体は必ず感じてる
耳を澄ませて
目を閉じて見つめて
私には見たことがない星空の記憶がある
いや、星空
雄大な自然の中で、とかでないなら
ほぼほぼ一緒でしょ?
そうかもしれない
いつか見た私の星空かもしれない
でもしんとして静かで夜の底
お昼間はぬるい春の光だったけど
夜は花冷え
頭も心も透き通っている
落ち着いている
その感覚を伴う星空の記憶は
私のものじゃない
あの子が見た星空
きっと時空はつながっている